
山岸君と照井君
第28章 無言の別れ―――…
気がつくと―――――…
病室は静かで…
人の気配がなかった…
――――…しん…と、静まり返った病室は…
さっきと比べて…不安を増幅させる…
激痛のあった指先は…
痛み止が効いているのか…チクチクと疼く―――――…
爪が……剥がされた記憶はある―――――…
必死だったあの行動でさえ―…
結局…米屋を止めることはできなった――――――…
苑心は――――…
こんな俺を――――――…
許してくれるだろうか…
守れなかった――…
俺は――――――…
何て――――…弱いんだ…
