
山岸君と照井君
第28章 無言の別れ―――…
「―――…苑心の人生は…大きく動いたよ――――…
君と出会い…米屋に襲われ…」
俺と―――――…出会って…?
変わった――――――…
「無色透明な面白くない…弟が…
色を纏い―――――…人となった…」
俺は、涙が流れるのを拭う事なく…
岳心さんを見上げる―――――…
「皮肉だよな――――――…
やっと…人として…
苑心を見れた気がするよ……」
「それなら!!一人の人間として――――苑心を…受け入れてください!!苑心を“絶縁”するなんて言わないでください!!」
涙で目の前の岳心さんが歪んで…確認できないが…
苑心が……“絶縁”をまぬがれる事ができるのは……
この人の…
力を…頼るしかない――――…
