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山岸君と照井君

第28章 無言の別れ―――…


「―――…君は…我が家の恐ろしさを知らないから…

米屋がどうなったか……


聞けば……君は…幻滅し…未来を信じなくなるだろう…」




岳心さんは、俺を見下ろし…



眉間にシワを寄せた―――…



「―――…米屋…?」



そうだ…米屋はどうなった…


派手に…俺や苑心を痛めつけたはずだ…



警察に――――――――…



「…あの後…警察に自ら出頭したよ――――――…


苑心の気持ちを目の当たりにして…


気持ちが折れてしまったんだ…


血まみれの服装や出で立ちで…警察はすぐに我々に確認を取りにきたよ――――…



でもね…父は、“そんな事実はない”って…君を処置しながら言い切ったよ…」




な――――――…


米屋の証言が…無視された?




「―――父はね…

事実を…無かった事にしたんだよ…


米屋の―――…暴挙も暴走も…


君と苑心の―――…仲も…

想いも…現実も―――…未来も…


そして―――――…事実を捏造した――…」




俺の涙は―――――――…



絶望で…

カラカラに乾いて――――…




苦渋に歪む…岳心さんの顔を―――――…



呆然と見つめていた―――…



「米屋は…捕まったが―――…


酔っぱらいの戯言と―――…



明日…明後日には釈放されるだろうね―――――…」




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