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山岸君と照井君

第28章 無言の別れ―――…


…米屋は自分の暴走に…


罪を認め―――――…警察に行ったのに―――――…



罪を…認めたのに――――…




苑心の父さんはそれを知らない―――――…って…



しかも……




苑心を―――――…



殺しかけたのに―――――…




「――――…また…米屋は…苑心を襲うんじゃないんですか?

苑心は……大丈夫なんですか?


岳心さんはそれで…いいんですか?」





岳心さんを責めても…どうしようもないが―――――…



米屋の狂った行動は……



背筋が凍るくらい…今でも恐ろしくなる…









「――――…父はね…


自分と病院の評判が落ちなければ…それでいいんだよ…


苑心の心が…身が…危なかろうが―――――――…


どうでも…いいんだよ…」




「そんな――――――…」



苑心は…そんな家に…産まれてしまったのか――――…



だから…人一倍…庶民的な家庭に憧れていたんだ…




「――…俺は、苑心の帰る家になりたい…


“絶縁”なら………



苑心を俺にください!!」






血の滲む指先で…俺は、自分の心臓部分を掴んだ―――――…



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