
山岸君と照井君
第30章 背中合わせ―――……
「ありがとう…
父さんも母さんも――――…
これから…俺は、苑心を待ち続けるし……
普通の結婚や…生活は……
望まれても…無理だ―――…
夢も――――…
父さんの会社を継ぐつもりだったけど…
ごめん……違う目標が出来ちまったんだ……
だから――――――…」
やっぱりそこは…
父さんに後ろめたく感じた…
小さい頃から…家の仕事を継ぐと宣言して来たから…
今さら……
「―――…そんなの気にするな…
この仕事は、父さんと母さんが始めた事だし…
宏樹がやりたいことを優先させなさい!お前の人生だ、好きに生きなさい!!
出来る限りのバックアップはするから!な?母さん!」
父さんは、笑いながら俺の頭を…軽くポンっと…撫で弾いた…
「やばぃ……
こんなに理解がある両親…
寒イボが立つ――――…」
照れだ――――…照れ…
理解有りすぎで――――…
苑心に悪いと思ってしまうくらいだ…
