
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
シャワーで身体を流す―――…
ふと…拳に着いた無数の傷や青アザに…目が止まった…
よく見ると…身体のあちこちにも…
青アザが―――――…
照井君が……苑君を守るため…
何度も…俺に立ち向かってきたのを思い出す―――――…
それを…俺は、力任せに――――…
何度も…殴った…
その時は…痛みなんか無くて―――――…
ただ……
嫉妬の塊で…鬼だった―――…
今…
自分の…
愚かな行動を悔やむばかり…
痛い―――――…
拳が痛い…
浴室の鏡には……
生きる光を失った……
枯れた人間が…涙を流している様子が映し出されているようだった―――――…
