
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
苑君を…締めた…手だって――――…
震え…痛い――――――…
「―――――…苑君…」
あの…青白い…笑顔―――…
俺を映さない…瞳…
“宏樹―――…”と、なんども動く唇…
あぁ……俺は、苑君の人生に――――…何一つ影響を与えられなかった……と…
一瞬に絶望した――――…
好きなのに…
もう…届かない……
惨めで……情けない…
俺は、改めて―――――…
罰せられる事を望む―――…
カミソリで――――――…
この汚れた手を…
切り落としてしまいたい――…
辺りを見渡すと―――――…
カミソリは見当たらず…
シャワーを浴びながら…俺は、うなだれる―――――…
「!!米屋!いつまで風呂に入っているんですか?!
朝食が覚めて―――――…」
苛立ちにも似た早口で…浴室の扉越しに…岳心さんが俺を急かしにきた―――…
