
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
20分後…
俺たちは、マンションを出た―――――――…
“送りますか?”と言う岳心さんの好意を…今回は断った―――――――――…
「では、脳ミソを使って考えてください」
そう言った岳心さんは、車を走らせ…
行ってまった―――――…
「――――…脳ミソ…ね…」
俺は、手のなかにある…
岳心さんのマンションの鍵を握りしめた―――――…
帰り道――――…
…景色を見ながら歩いた…
朝……通勤の時間帯――…
駅に向かう…人々と…同じ方向を向いて…
歩いている―――…
ふと…立ち止まり――――…
岳心さんのマンションがある方向を…
振り替える…
立ち止まった俺を……
通行人は邪魔に感じながら避けて…行く…
このまま…人の流れにそって―――…
駅に向かえば…
家に帰り―――――――…
暗いあの部屋で自問自答を繰り返す…
俺は…この…流れに――――…
何年…流されてきた?
