
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
プライドが高い事を隠し――…
負けず嫌いを隠し――――…
男性趣味を隠し―――…
眼鏡好きを隠し―――――…
俺は―――――…
今まで流れて来たんじゃないか?
一つ崩れただけで……
俺は―――――…壊れた…
こんな俺が――――…
また…
流れに乗れるのか―――…
どっち道――――…
流れる事なんか出来ない――――――――…
俺は―――――――――…
空を見上げ――――――…
大きく深呼吸をし…
人の流れに逆らって―――…
来た道を…戻る―――――…
あの人の…嫌味が癖になってしまったんだ…
このまま…
流れに逆らって―――――…
溺れるなら…
あの人を……信じてみよう…
タイプじゃないのが幸いだ…
彼となら…
喧嘩もできそうだ――――…
俺は、手の中の鍵を握り…
それ以外の…
荷物を――――――…
道端のゴミ箱に捨てた―――…
