
山岸君と照井君
第33章 手紙―――……
僕は…
グッと涙をこらえ――――…
窓を開けた――――…
数日後には…
無理矢理イギリス行きの飛行機に乗せられる…
僕の意思を無視して―――…
僕を追い出しにかかる…
でも――――――――…
宏樹と――――…約束した…
待っていると…
会うことを…待っていると…
信じてくれている……
大丈夫…
僕の心に寄り添ってくれている…
大丈夫―――――…
僕は…窓を開けたまま…
部屋の片付けと……
留学の準備をする――――…
テーブルを片付け…ふと…カバンを整理しようと…持ち上げると……
カバンの中から……乾いたプラスチックのぶつかる音がした―――――――…
「あっ!宏樹の…お弁当箱……忘れてた…」
バタバタしていて……
忘れていた…
あの日――――…お弁当交換をしたんだった…
で…お弁当箱は、自分で洗うから!!って……もって帰ってきてたんだった!!
