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山岸君と照井君

第33章 手紙―――……


僕は、お弁当箱を洗いながら…


その時の会話…じゃれあい…

手の温もり――――――…


宏樹の笑顔を…


思いだしながら……隅の…隅まで…キュッキュッと…洗う…


キュッキュッ――…

ゴシゴシ…キュッキュッ…



一生懸命…洗っているのに…

目の前が…涙で滲んで…



綺麗になったかどうかが…解らない…



「――――宏樹………」



涙が溢れては……



お弁当箱の輪郭をぼやかせる…



「――――…会いたいよ…
宏樹に…会いたい―――…

また……会えるよね……


会えるよね―――……」





僕は、泡だらけの……



お弁当箱を――――…



抱き締めた…





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