
山岸君と照井君
第33章 手紙―――……
空港で…自分の乗る飛行機を待つ―――――…
雷心兄さんの…眉間のシワを見ていると…
父さんを見ているみたいになる…
「――――…雷心兄さんって…何歳だっけ―――…」
眉をピクッと動いた……
「30だ…それが?」
ぶっきらぼうな言い方…
しかし…30歳…なんだ……
知らなかった……
僕と…大分離れてる…
「―――…30歳なんだ…」
改めて口に出すと…変な気分だ…
こんな会話……したこと無かった…
「それが、何だ?と聞いている!」
別に意味は無いが……
「…僕は――――…
雷心兄さんに…幸せになって欲しいな…って…思ってるよ…」
僕は、カバンを撫でる―――…
指先で…お弁当箱の角を感じる…
「…上から目線の物言いだな…ホモの分際で…」
