
山岸君と照井君
第33章 手紙―――……
「まぁね〜…最初はお断りしたんですよ?でも、旦那様…しつこくて!」
笑いながら梅さんは、上着をハンガーにかけ…
僕たちを部屋に招き入れる…
部屋はアンティーク家具で統一されていたが、生活感のある雰囲気に…
ふと、宏樹の自宅のリビングを思い出す…
「梅さん、早速…紅茶をもらっていいかな?」
梅さんは、何日も前からここにいるかの様に…てきぱきと紅茶の準備をする…
「あ、ぼっちゃんの荷物部屋に運びましたけど!
片付けは、ご自分でなさってくださいましね?
旦那様もですよ?」
梅さんの早口に…「はい…」と返事をしたものの…
「ぇ?…僕…学校の寮に入る予定じゃないの?」
「あ〜その件だが、苑心が行くスクールは寮でも通学でもいいらしいから!
通学に変更してもらったぞ!
お前は、普通の学生としてここから通うのがいいと思ってな…」
お祖父様――――…
雷心兄さんの事言えないのでは?と…でかかったが飲み込んだ…
