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山岸君と照井君

第33章 手紙―――……

俺は―――――――…


血の気が引くのか解った――…





“縁を…切られた”



俺は、陣痛で苦しむ彼女の背中を支えつつ…



胃を捕まれるような罪悪感を感じていた!!





「あっ!!都さん、良かった!!


感覚はどう?短い?」



連絡をした産科の看護師が…車イスを引きながら…慌てながら彼女を覗きこむ



「大丈夫です…まだ…感覚は長いので―――――…」




「そう…夜までかかるかもしれないね…


大丈夫よ!頑張りましょう!!」



看護師は、彼女を車イスに乗せ!俺に頭を下げて病棟に戻るのか…


歩き出した――――――…



「あっ……!ありがとうございました。


え〜っと…雷心先生…


同じ“心”繋がりですね!!


私、頑張りますね!!名前に恥じないように!」




陣痛の波で…痛いはずだが…


彼女は…笑って…俺に頭を深く下げて行った―――――――――…







緊張したり…


キュンとしたり…


頼もしかったり……


甘い会話をしたり…


血の気が引いたり……



胃が…痛くなる思いをしたり…







俺は、この短時間で…


彼女から随分…刺激を受けた…






彼女はいったい――――…




何者なんだ―――――…




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