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「あのさ、加藤って…さ。
好きな人、居んの？」


「(えぇーー！？)…」

「…」


二人が、黙っている中、菫は、頭の中で

今の状況を必死に理解しようと

頑張っていた。

「なぁ…」



「…いるよっ…」

と、岸本の問いに答えた。

と同時に


「きっ…岸本は…？」

「…お前。」


「えっ…」

すっとんきょうな声が出た。

「(やべぇ、思わず言っちまったけど
やっぱり、引いたか…？)」

「…」


菫が声を出そうと必死に

頑張っているのを岸本は知らない。


「…っ。なんてなっ！冗談だよ！

加藤、何本気にとってんだよ！」

って、岸本が苦笑いのような笑みを

浮かべ、菫に言った。