
触れたくない。
第2章 二
ダメだ。また、おぼれる。
「君のいいところは、もうすでに記憶している」
「ぇ…、アッや…!!」
彼の甘い愛撫に、全て奪われる。
「耳朶と、」
「ンッは…ッ、」
思考と、理性も。
「あと、胸のここ辺り」
「あ、ンンンッそ、こ、舐めないで…ッ」
抵抗力も、全部。
「でも一番は、ここ」
「―――アァッ!!」
彼に、奪い去られる。
「いいところに触れるだけで、こんなに潤う」
「だ…め、抜いて…ッ」
「抜けさせまいと締め付けるのは君だ」
「~~~ッ」
「それに、まだ本当のイイところには触れてない」
「やだ…、ダメ…、」
――”だめ”が何の意味もない言葉になってしまって。
ただただ、探り探りで動かされる指を締め付けてしまうだけ。
そして――…、
「あッ?!」
彼がそこに到着すると、途端に我慢していた声が我慢しきれなくなる。
