
触れたくない。
第2章 二
「ンッふ…ッ」
チュク…
唇と同様、ひんやりとした舌が熱い口内に侵入する。
すると次第に頭がくらくらとしだして、私は自然と七瀬さんの合わせ部分を強く握っていた。
気持ちがいい。
本当に、彼に一度触れてしまえば離れることができない…。
「ンン…、は…ッ」
と、口づけが深くなればなるほど手に力がはいって、
あ。と思った時には、ずるりと肩から着流しがずれ落ちた。
「、」
それと同時に離れた彼の唇を追うと、それはそれはにんまりと弧を描いた。
「おや、今日は随分と大胆な」
「は…ッはぁっち、違います!」
こうやっていじめるためにわざと深いキスしてきたくせに…!
荒い呼吸を整えつつ、目のやり場に困るために視線を逸らそうとしたけれど。
