道の先…
第13章 試験とチョコレート
でも、そのあとに続く言葉に、わたしはなんと返したらいいか分からなくなった。
「神田、悲しみっていうのはその時その時で違う感情になる。例えば、受験に落ちた時のかなしみと妻を亡くしたかなしみって違うだろ?」
わたしは何も返すことができなかった。
妻を亡くした悲しみ。
先生の中にはまだとても大きな、癒えることのできない悲しみ。
半年も経ったのに、依然として先生の奥さんは先生の心を支配しているのだ。
その時改めて思った。
わたしと先生の距離がいくら近くなっても、奥さんはわたしと先生の距離を離す。
「神田、悲しみっていうのはその時その時で違う感情になる。例えば、受験に落ちた時のかなしみと妻を亡くしたかなしみって違うだろ?」
わたしは何も返すことができなかった。
妻を亡くした悲しみ。
先生の中にはまだとても大きな、癒えることのできない悲しみ。
半年も経ったのに、依然として先生の奥さんは先生の心を支配しているのだ。
その時改めて思った。
わたしと先生の距離がいくら近くなっても、奥さんはわたしと先生の距離を離す。