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conqueror

第12章 散歩

「こんなにたくさんの人の前で、逝っちゃうなんて変態だね。」

彼が耳元で囁く。

私は、恥ずかしくて、顔が熱くなる。

「コウさん。だって、あっ、あの。」

私は、彼に恥ずかしいと、言おうとした。

だけど、彼はまだ、バイブのスイッチを、入れたままにしていたので、また感じてしまう。

「ああ、コウさん、あの、止めてください。」

彼を見上げながら言った。

「うん?止める?どうして?」

私は変な声が出ないように、ゆっくり息を吸った。

「だって、このままじゃ、あ、歩けない、です。」

「大丈夫だよ。」

彼がそう言って、私の手を繋いで歩き始めた。

私は彼に引っ張られて、歩かざるを得なくなり、足を運んだ。

ただでさえ慣れない足元だったので、ヨロヨロしていた。

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