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conqueror

第12章 散歩

彼が少しバイブを弱くしてくれた。

私はホッとして、また、ゆっくり歩き始めた。

この調子なら、なんとか行けそう。

目の前には、ホテルが見えている。

次の信号を渡って、すぐのところにある。

私を見つめる彼と、一瞬目が合った。

その瞬間、体中に電気が流れた。

バイブの動きが、激しくなったのだ。

草履の鼻緒がちぎれそうなほど、足に力が入る。

前に歩き出すことができない。

ああ、ダメ。

どうにもならない。

でも、歩かないと。

早くホテルに着かないと。

だけど、ダメだった。

バイブの勢いに、体が反応してしまって、頂点に達しそうだった。

「ああ、コウさん、ごめんなさい。逝っちゃう。」

小さな声で謝ると、バイブのうねりに身を委ねて、逝ってしまった。

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