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conqueror

第6章 春雷

今朝は弱い雨が降っていた。

湿気で、髪が膨らまないように、少しまとめていくことにした。

予報では、1日雨のようだ。

空を見上げても、雲が切れる気配はない。

この雨で桜もすっかり、散ってしまうだろう。

駅の階段を上っていくと、たくさんの人で、ごった返していた。

そして、階段を降りて、マクドの前に出ると、並んでるタクシーの間を抜けて、彼の車を探した。

傘を畳んで、車の助手席に乗る。

「コウさん、この間はごめんなさい。」

私は、開口一番に謝った。

「エリナ、気絶してしまったからね。自分だけ、気持ちよくなって。おかげで、大変だったよ。」

私には、あの後の記憶が飛んでいる。

気付いた時、私はベッドに横たわっていた。

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