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第8章 指示

レジの前に立つと、カゴを置いて、店員に顔があまり見えないように、カバンの中の財布を探しているフリをした。

レジを商品が通っていく。

心臓がドキドキする。

店員が避妊具をレジに通す。

私はレジに他の客が、来ないうちに、早く会計が終わるといいと思った。

「1672円になります。」

私は、千円札を二枚置いて、これで、と一言言った。

「2000円お預かりします。328円のお釣りです。ありがとうございました。」

私は、急いでお釣りを受け取ると、レジ前から立ち去ろうとした。

「あっ、お客様、お忘れですよ。」

振り返ると、今買った商品を持たずに、帰ろうとしていた。

ありがとうございます、と小さく言うと、袋を受け取って、店を出た。

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