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複雑なトライアングル

第1章 ♥入学試験

「ねえリゼちゃん。
 この学校、どんなのかわかるかな…」

「知らないで来たとでも?」

「実は…私はね。入学試験が簡単ってきいてさ」


リゼは驚いた顔をした。

今にも崩れそうな。


「この学校は、その…えっちな勉強を…
 あまり、教育にはよくない……」

「ああ、わかったわかった! ごめんよ」


エレノアはリゼを抱きしめる。

リゼは恥ずかしそうに、顔を赤らめた。


「や、やめてください……
 胸のサイズが気になっちゃうじゃないですか」

「あ………かわいいなぁ、もう!
 小さいから萌えるんだよ」


リゼはトマトのように真っ赤になる。

そして、エレノアをポカポカと叩く。

まったく痛くなさそうだ。


「まあまあ! じゃ、部屋はここらしいよ。
 ちょっと休もうか」

「うん……」


中にはけっこう人がいた。

他の学校と比べたら少ないけど。


男もいて、かっこいい人はちらほら。

女の子が断然多いかな。



「ここ空いてる。リゼちゃん、隣どうぞ」

「…失礼」


かしこまっちゃって…かわいいなぁ、もう。


「よっ」


男の声がしたと思うと、デコピンされた。


「いたた…」


額をおさえる。

犯人は…けっこうかっこいい男の子。


向かいの席だ。

空港みたいなここは、おしゃべりしやすいか。


「何?」

「俺、時雨っていうんだ。
 お前ら、けっこうかわいいほうだろ?」


時雨とやらはかなり美形だ。

チャらそうだけど...タイプの女の子多いかも。


「そんで、こっちは風雅。真面目すぎて
 付き合えない? 大丈夫だ、俺でもできるから」

「へえ。二人ともイケメンだね~。
 私はブスだから…」

「いや、かわいいぞ、お前。
 風雅がタイプそうな……いでっ」


風雅に腹パンをくらったようだ。

けっこう面白い人たち。


リゼちゃんは他の人のほうを向いている。


「私より、リゼちゃんのほうが…」

「ふうん。で、お前自信は?」

「え? あ、あー・・・ちょっぴりある」


時雨はニヤリと笑った。


「俺ら、入学したら襲うつもりだぞ?」

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