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複雑なトライアングル

第1章 ♥入学試験

「ぐぇほッ!」


あぁ…イケメンらしからぬ声まで…

今度は一体何をされたんだか。



「ノアはあなたみたいな人を…
 相手にしないので」


ので。


リゼちゃんは味方をしてくれてるけど、

その意味がよくわからないなぁ。



「…まあ、入学しても、しなくても
 仲良くしような。お前らの名前って…」


「エレノア。ノアって呼んでね」

「リゼ」


「……あ、ああ。そうかそうか。
 よろしく…」


なんだか様子が変だ。


汗が異常に出ていて、目をこっちに

向けようとしない。


他の方向をちらちらと…

一応、触れないでおこう。



その時、ドアが物凄い勢いで開いた。

バンッ!!!!という効果音付きで。



「結果が出ました。予定よりはやいですが、
 皆体育館に集まるように」


なんだか怖そうな先生だ。


どうでもいいか。

結果が出たんならはやく体育館に行こう。



「リゼちゃん行こっか。何人くらい受かるんだろ~」

「少ない…と思う」


「ネガティブなこと言わないほうがいいぜ?
 自分が落ちちゃうから」


リゼはその言葉で少し不機嫌になった。


ちゃんと見た時雨くんはかっこよかった。

やんちゃ?みたいで、スポーツならなんでも来い

って感じかな。


風雅くんは綺麗な顔だ。

こちらのほうが好みかもしれない。

スポーツより、勉強のほうができそう。


「…どうしたの?」

「…あっ、ううん。何でもないよ。
 ちゃっちゃと終わらせちゃおう!」

「わかった…」


エレノアは全てを抑え、奥にためた。


リゼはその事をすぐに察した。

そして、また悲しそうな顔をする。

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