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人間クレーンゲーム

第1章 最初の犠牲者

いつの間にか茜音の声が聞こえなくなっていた。玲花は隣にいる。しかし茜音はどこにもいない。するとまた、…ギィと音がした。そして、まさかと思い、空を見上げると…

舞「あ……あか……茜音…!?」

茜音は空に浮いていた。いや、違う。真下からだとそう見えるだけで、角度を変えて見ると、大型のクレーンゲームのクレーンにそっくりの形の機械が空から吊り下げられている。それのクレーンに茜音は捕まり、どんどん空へ上げられていく。

茜音「舞…!玲花…!!私っ!どうなるっ…の!!!!?」

空から水…ううん。茜音の涙が降ってきた。そうだよね。怖いよね…。でも、私にはどうする事も出来ないんだ…。でも、助けたい…茜音を守りたい…昔、茜音に助けられたんだから、今こそ恩返しが出来るはず…。けど、どうやって?あのまま空まで連れ去られていくの?やだ…茜音を返してっ!!

舞「茜音っっ!!!!!助けるよっっ!!」

茜音に声は聞こえたかな?それよりもなんで冷静なんだ?こんな非日常が起こっているのに!!

そう考えている間に茜音の姿は雲の上へと消えていった。

玲花「………あっ……え!?」

舞「あ、茜音っ…!!」

上から茜音が落ちてくる。

茜音「あぁ……私、死ぬんだ…二人とも、さよなら。」

ゴシャッッ!!

鈍い音がした。茜音は向こうの草むらに落ちたようだ。

舞「あ……あぁ……ど、して………」

茜音は即死だった。地面に叩きつけられたせいか、茜音からいろんな物が飛び出している。そして茜音の周りは血だらけで、無残な姿になっている…。

舞「茜音…茜音ぇぇぇ!!!!」

舞は泣き崩れた。学校のチャイムがなった、それさえも気づかずに泣き続けている。玲花は隣で泣きながら舞の背中をさすっている。
どうして茜音が?今から何が起こるの?

舞と玲花は一気に恐怖に襲われた。立つことも出来ないくらいに。

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