
ドSメガネ王子☆
第2章 入学式
ーーーーー…
入学式が終わった私たちは教室に戻っていた。
あの、入学式、ならぬアイドルのコンサートで
女子ののどはガラガラになり、後日この事実は
伝説となることだろう。
「てか、藤岡 くん、C組だったー、残念ー」
C組からは女子の声がわんさか聞こえてくる。
(これは、ファンクラブができるにちがいないな…)
「ごめん、あたし外の空気吸ってくるー」
私は、さっきの人混みでよってしまったのかそんなことを言った。
「15分後には始まるから戻っておいでよー!」
あかりが言ってくれたことに
「わかったー」
と頷いて私は教室を後にした。
中庭に行こうとC組の前を通りすぎるとき、
中をちらっと覗くと…、
王子を中心とした円ができており、
すでに大人気。
王子は困ったような顔をしながらもあの、素敵な笑顔でみんなと接していた。
「おい、藤岡ー!
お前なんで遅刻したわけ?」
そんな言葉が聞こえ、どきっとする。
しかし、王子が発した言葉はー…
「あー、寝てたわ」
と、それだけ。
「おいお前なにしてんだよ代表!!」
みんな笑って楽しそうだ。
「俺ばかだから肝心な時寝坊すんだよ」
「いやばかじゃねーだろ!!」
「入試主席のくせにばかとはなんだばかとは!
なら俺らなんだよ!」
(すごい、入学したばかりなのに
もうみんなと仲良くなってる。)
さすが、王子。
そんなことを思いながら
あははは!と笑い声のするC組を後にし、
私は中庭へ向かった。
