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ドSメガネ王子☆

第2章 入学式





ーーーー…

ひと気のない静かな空気。


私は中庭のベンチにすわり、

ふー。っとため息をついた。






つかれた。



友達もできたし、クラスも楽しそう。


ただ、王子と同じクラスだったらもっとよかったよね。



代表挨拶があるのに、私のことなんてほっとけばよかったのに。



あんなことされたら、あたし、うれしくて
舞い上がっちゃうよ。






あぁ、かっこよかったなぁ。





「おい。」



「え?」


でれっとした顔で振り向くとそこにあったのは
王子のドアップ。






まてまてまて。



「え!王子!?なな、っなんでここに!!」




指をさして半ば叫ぶように言う。


「はぁ?王子?」


は!しまった!

私が手で口を覆うのをみると、

なるほどね、とでもいうように口の端をつりあげ、


私の顔をつかむ。



顎をくいっと人差し指で触れられて高鳴る胸。



「あっ、ごっ、ごめんなさい。」


謝ることしかできない。




王子だなんて、恥ずかしい。
なんであんなこといっちゃったんだろう。



ていうかまずなんでこんなとこに!?



「あのばーちゃん、あんたにお礼いってくれって。
だからここまで来たんだよ。
勘違いしてんじゃねーぞばーか。」



ば、…ばか?





お、王子??



「てか王子とか呼ばれんの吐き気すっからやめてくんね?お前みたいに俺のことなんも知らねー奴が俺の周りうろちょろすんなよ」




は、はい?




「入学式から女ばっかよってきてうぜんだよ
これから一言も俺に話しかけんな。」



顔をぶにゅっとつぶされ、唇をつきだした
変な顔になる。









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