庭の柘榴
第3章 変化
ホテルに向かう彼と帰る彼は別人だった。
良く言えば爽やかな紳士。
ドライ過ぎる彼の性格に少し嫌気が差した。
私からすればもっと別れを惜しんで最後まで
絡み合ってしっとりしたい。
ジムで汗を流してサッパリしてるような
彼の姿が憎たらしくも思えた。
帰りの車内は彼の世間話が弾み、
1人笑い転げていた。
たまに目が合うと私も合わせて笑ったが
どんなネタなのかも頭に
入ってきてなかった。
それでも私が不快に思ってることを
察して欲しくなくて一生懸命
「うん、うん」
と頷き聞いてるフリをした。
と、その時また電話が鳴ったのだ。
携帯の画面を確認すると
彼は口端を少し歪めてため息をついたあと
電話に出た。
「うん?あぁ...今、帰ってる途中だよ。
混んでるんだよ」
奥さんからだ...
すぐにわかった。
仕事が遅くても9時半までには終わって
直帰すれば10時半には着くだろう。
すでに13時半を回っていた。
話しながらカーステレオのボリュームを
下げたとき...
声を出しちゃおうかな...
そんな衝動に駆られた。
きっと私が独身だったら
やってたと思う。
私も家庭を持つ身として理性が働いた。
少し高めのかわいい声で「Y男~」
腕を絡めながら甘ったれて呼ぶ名前。
頭の中で妄想したのをグッとこらえた。
それを察したのかまた別の理由かは知らないけどY男は私を横目で見てすぐに電話を
切った。
「寄り道がなげぇってよ、うるせぇなぁ~」
ぼやくように言った。
「出かけるの?」
あまりにも急かされてたので約束があるんだと想像した。
「あぁ、嫁の実家に行かなきゃ
いけなくてよ」
正直、驚いた。
ほかの女とセックスした直後に嫁の実家に
どんな顔で行くのだろう。
この人にとってセックスとは...
本当に「ジム」なのかもしれない。
「そう...セックスして実家に行くの...」
嫌味を込めて言ってしまった。
そんな言葉を発した自分が嫌でうつむいた。
彼は慰めるように頭を撫でて
「そんなこと言うなよ。
俺、無神経だったよ」
急に優しい目をした。
この人って...
本当にプレイボーイなんだな...
良く言えば爽やかな紳士。
ドライ過ぎる彼の性格に少し嫌気が差した。
私からすればもっと別れを惜しんで最後まで
絡み合ってしっとりしたい。
ジムで汗を流してサッパリしてるような
彼の姿が憎たらしくも思えた。
帰りの車内は彼の世間話が弾み、
1人笑い転げていた。
たまに目が合うと私も合わせて笑ったが
どんなネタなのかも頭に
入ってきてなかった。
それでも私が不快に思ってることを
察して欲しくなくて一生懸命
「うん、うん」
と頷き聞いてるフリをした。
と、その時また電話が鳴ったのだ。
携帯の画面を確認すると
彼は口端を少し歪めてため息をついたあと
電話に出た。
「うん?あぁ...今、帰ってる途中だよ。
混んでるんだよ」
奥さんからだ...
すぐにわかった。
仕事が遅くても9時半までには終わって
直帰すれば10時半には着くだろう。
すでに13時半を回っていた。
話しながらカーステレオのボリュームを
下げたとき...
声を出しちゃおうかな...
そんな衝動に駆られた。
きっと私が独身だったら
やってたと思う。
私も家庭を持つ身として理性が働いた。
少し高めのかわいい声で「Y男~」
腕を絡めながら甘ったれて呼ぶ名前。
頭の中で妄想したのをグッとこらえた。
それを察したのかまた別の理由かは知らないけどY男は私を横目で見てすぐに電話を
切った。
「寄り道がなげぇってよ、うるせぇなぁ~」
ぼやくように言った。
「出かけるの?」
あまりにも急かされてたので約束があるんだと想像した。
「あぁ、嫁の実家に行かなきゃ
いけなくてよ」
正直、驚いた。
ほかの女とセックスした直後に嫁の実家に
どんな顔で行くのだろう。
この人にとってセックスとは...
本当に「ジム」なのかもしれない。
「そう...セックスして実家に行くの...」
嫌味を込めて言ってしまった。
そんな言葉を発した自分が嫌でうつむいた。
彼は慰めるように頭を撫でて
「そんなこと言うなよ。
俺、無神経だったよ」
急に優しい目をした。
この人って...
本当にプレイボーイなんだな...