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庭の柘榴

第4章 青い果実

怒りはしなかったけど
ますます早く帰りたくなった

駅に着くと
名残惜しそうな彼に

「じゃぁね、ありがとう」

と一言残して改札に入った

素っ気ない私の態度でも
彼は寂しそうな笑顔で手を振っていた。

なんだかしつこそうだな...

もう会いたくない


と思いながらも
断れなくて会ってしまう気がして
ならなかった。

今思えば
せめてここでやめておけばよかった。

わかっていながら
間違った選択をする私を恨んだ。

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