テキストサイズ

庭の柘榴

第4章 青い果実

いきなり手を掴んできてから
私の中で警戒が始まり自然と
距離を置いて歩くようになった。

彼は私のペースね合わせて歩き
距離は縮まってしまう

それでも離れて歩く私に
「?」
の顔で笑いながら一生懸命合わせてきた。

カフェに着くと
スイーツ目の前にした彼は
女の子のような笑顔でケーキを眺めた

そんなに好きなのか...

ケーキは6~8種類くらいあり
プチケーキではなく
それなりの大きさがある

せいぜい食べてもプリン、ゼリー系1つと
ケーキ1つかな...

あまり残さないで済みそうな小さいものを
選んだ。
彼はいくつ頼んだか忘れてしまったけど
ケーキ好きな彼は嬉しそうに
席についた。

そのカフェは昔からあるような
オシャレでもなんでもなくて
素朴な雰囲気のお店だった。

席はそれなりにあったけど
お客さんはほかに1組いるかいないかくらい

ゴミゴミしてるのが嫌いな私には
ちょうど良かった。

そこでも彼にいろいろ聞かれたり
話をしたり...だったと思う。

ケーキはこれまた
フツーのまずくも美味しくも...(笑)

彼は美味しい、美味しいと言って
いくつかお代わりしてた気がする

そろそろ話も尽きて帰ろうかとなった。

彼はほかにどこか行こうと提案してたが
私は会う前から
「用事があるから早く帰ります」と
伝えてあったのだ。

「もう...帰らないとだよね?」

彼はまだ帰りたくなさそうだったが
私はもうこれ以上間が持たなくて

「ごめんね、またね」

と言った。

彼は駅まで送るよ、と私の手を握った。
反射的にまた振り払ってしまった手...

彼は私の手をまた握った。

「駅に行くまで...」

「いや...ちょっと...それは」

手をほどいた瞬間

「ごめんなさい!」

と叫んだかと思ったらキスをしてきた。

これまた(笑)
反射的に顔を背け彼を突き飛ばした。

その場に居合わせた男子高校生は
目を丸くし
私は思いきり嫌な表情...
彼はもう1度チャレンジしようと
唇を尖らせて近づく。

思いきり彼との間に
距離を置いてる私に

「ご、ごめんね...」

焦りながらも

「好きになってしまって...」

と弁解をした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ