その手で触れて確かめて
第11章 先輩なオレと後輩なキミ。(S × N)
和也side
え…今、翔さん、俺のこと好き…って…?
翔「正直、カズからコクられた時は嬉しかった。」
顔を真っ赤にして、頭を掻きながら俯く。
翔「俺から言おうかと思ってたんだけど、まさか…カズから付き合ってほしい、って言われるなんて…」
って、恥ずかしそうに笑う翔さんも、
惚れ直すぐらいカッコよくて、
思わず見惚れてしまう。
「俺の方が一方的に好き、って言ってんのかと思ってたから、俺の方からは何もできなくて…」
けど、カッコ良すぎて、
直視できなくて、
俯いてしまう。
翔「じゃあ、改めて俺から言わせて?」
そう言って握りしめてくれた両手。
温かくて、
心の中にその温かさがじんわり広がってゆく。
翔「俺はカズが好き。だから、ちゃんと付き合お?」
「…は…はい。」
自分がどんな顔してんのか、顔の熱さで分かる。
多分、とんでもなく、真っ赤に違いない。
翔「カズ、顔見せて?」
「え…?」
翔さんの手が優しく俺の頬に触れる。
ゆっくり顔をあげるとそこには、
仄かに頬を染め、照れ笑いを浮かべる翔さんの顔があった。
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