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その手で触れて確かめて

第3章 歪な夜の夢 (O × S × M)



時折、何を思ったのか、



唇を離して、俺の表情を観察するみたいに、じっ、と見つめては、



意味深に笑う。



そして互いの唇を繋ぐように垂れ下がる銀色の糸を、舌先で手繰りよせるようにして、また唇を押し付けてくる。



「つっ…っ!」



胸の先を強く摘ままれ、その拍子に唇が離れる。



「ごめん。キスしてる時にここ、弄ったらどうなんのかな?と思って。」


「ふざけんな…あぁっ!?」


今度は強く、指先で両方の先端を弾いた。




体の奥から沸き上がってくる熱で顔が熱くなる。



熱されて赤らんだ顔を隠すようにして、顔の前に腕を交差させた。



「フフっ。恥ずかしいの?可愛いね?」



薄暗がりの向こうで、



智の忍び笑う声が聞こえる。



「何々?どうしたの?顔、真っ赤じゃん?」


「うっ、うるせえよ!?」


顔を覆い隠していた腕をほどかれ、



間近まで顔を寄せられる。



「ね、ココ、どうにかした方がいいと思うんだけど?」



布越しに、翔の指先が俺のモノに触れる。



込み上げる熱さに抗いながら、


翔を上目で睨みながら、




俺のモノと同じく姿を変えつつあった翔のモノをぎゅっと握り返してやる。





「俺のこと言えた立場かよ?『兄さん』?」

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