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sugar-holic

第12章 騙されたりしないんだから!!

「栗原タケル…あぁ、演歌歌手の」

そういえば、倉田くんから聞いた気がする。

浅野社長の親戚だったよね。

「ファンのおば様達にしっかりPRしてくれたお陰で、凄まじい勢いで売れました」

その表現に思わず笑いをこぼした。

おば様パワーって、凄いもんね。

「そうか。浅野社長にお礼言わなきゃね」

私がそう言うと、倉田くんの顔から笑みが消えた。

「…そうですね」

重いその口調に、少しだけ違和感を覚えて、小首を傾げた。

「どうかしたの?」

倉田くんは机に凭れると、ふぅっと息を吐いた。

「頑張った俺には、労いの言葉はないんですか?」

へ?

半強制的な言い方に少し呆れつつも、口元が緩んでしまった。

何だ。可愛いところもあるんじゃないの。

「頑張ったご褒美に、社長賞出るんじゃない?」

「そんなの出ませんよ」

「出るかもよ?浅野社長賞」

「は」

「本来の発注数の3割増しの商品を売り切ったんだから、感謝されるかも」

「…また浅野社長かよ」

「え?」

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