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sugar-holic

第12章 騙されたりしないんだから!!

「倉田くんって、結構イヤミだし、人のこと見下してる感じがあるんだけど」

「ひでぇ。そこまで言います?」

苦笑いを浮かべた倉田くんに、くすっと笑いを向けた。

「そんな事言って人を惑わせるけど、根本ではその人の事ちゃんと考えてあげてるじゃない?」

私を見る倉田くんの顔から、苦笑いが消えた。

「だから、その憎まれ口の裏には、人を思いやる気持ちがあるんだろうなぁって…」

「俺の事、そんな風に見てるんだ」

急に。

倉田くんの雰囲気が変わった。

妙に冷めた目で、私の顔をじっと見て…

一歩近付かれて、慌てて後ずさった。

「むっ…無駄だよ!!手口は分かってるから」

給湯室での事や、この前の女子会のトイレ前での事が脳裏によぎった。

「手口って」

私の慌てぶりに、倉田くんが笑いをこぼす。

「私は騙されたりしないから!」

私の虚勢を見抜いたのか、

「…ふーん」

倉田くんが低く声をもらすと、ニッと笑って

「騙すってどんな事?」

「どんなって…あっ!!」

もう一歩後ずさろうとして、手を掴まれた。

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