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sugar-holic

第14章 セフレですから

じゃあ、と手を上げて、次長が徳島部長の所へ向かった。

次長の後ろ姿を見送って、ふうっと息をつくと

「口は禍の門」

突然どこからか声が聞こえた。

「きゃあっ!!」

驚いて周りを見回すと

「…って言葉、当然知ってますよね」

給湯室でコーヒーを入れている倉田くんがいた。

何で、今、この時間にここにいるのよ!?

「知ってる。だから?」

「知ってるなら、意味もわかってます?」

意味?

「何が言いたいの?」

聞き返した瞬間。

ぐいっと腕を引かれ、給湯室に引き込まれた。

「なっ…!!」

「何で平谷なんだよ」

え!?

「隙がありすぎるって、言ったばっかだろ!?」

壁際に追いやられ、顔の真横に手を付いた。

「分かっててやってる?」

間合いが狭くなる。

慌てて倉田くんを押しやると、やっとの思いで声を絞り出した。

「私…貴方が何考えてるのか分からない」

「奇遇ですね」

倉田くんは首を傾げて、目を細くした。

「俺もですよ」

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