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sugar-holic

第9章 必死だねぇ

「失礼します。お待たせ致しました」

浅野社長の前に、コーヒーを置くと

「いい香りですね」

「モカブレンドですが、お好みでしたか?」

「いや、そんなにこだわりはないかな。ただ、旨いなって飲むかどうかで」

うーん…そういうのが一番難しいんだけどなぁ…。

向かい合ってコーヒーを飲みながら、倉田くんが来るのを待つ。

浅野社長が、コーヒーを褒めてくれて、それから好きな食べ物の話になって…

「今は一人だからね。食事は専ら外食だな」

浅野社長、2年前に離婚したらしい。

深くは聞けないけど…離婚するには、理由があるんだろうな。

「お気に入りのお店があるんですか?」

男の人がほぼ外食だと、食べることが好きな人じゃない限り、特定の店で固定することが多いって聞いた。

浅野社長もそうかと思ったのに

「いや、やっぱり家庭の味とは違うからね」

「そうですね」

…って事は、よっぽど元奥さまは料理の上手な人だったのかな?

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