
弱く儚く。
第3章 気づいてしまえば
「宇汰!!ちょ!!」
ぐいぐいと唯斗を引っ張ってきてベッドに座らせる。
「よし。じゃあ寝るぞ。」
俺はその横に寝っ転がった。
男同士なんだし、減るもんじゃないし。
修学旅行だってこんな感じだったし。
気にしない気にしない‥。
「ぷっ!」
と急に唯斗が吹き出す。
思わず顔を上げると、唯斗の顔がすぐそばにあってびっくりする。
「宇汰って面白いね‥‥そういうこと好きだよ?」
唇が触れるか触れないかの所まで近づいて、
どうにかなってしまいそうで‥。
思わず目を瞑った。
でも、すぐに気配が消えて
恐る恐る目を開けると、もう唯斗の顔はそばになかった。
となりから温もりが伝わってくる。
「ふふ‥びっくりした?」
唯斗は天井を見つめたまんま呟いた。
「どうかな?」
少し強がってみたけど、きっとばれてる。
足が布団の中でぶつかった。
お互い何も言わずに笑う。
なんかめっちゃあったけぇな。
