
弱く儚く。
第4章 気持ち
久しぶりの心地の良い夜だった。
朝だってこんなに早く目さめちゃうなんて‥。
新記録だぞ?
隣にいる唯斗はまだ寝息をたてている。
「唯斗‥。俺の気持ち伝わってるか?」
ぽそりと呟いてみる。
もちろん返事はない。
鳥の鳴く可愛らしい声が窓から入ってきて、気分が良い。
「俺、不器用でだめだめでうまく伝わってねぇかもだけど‥‥唯斗と居ると安心する。凄い好きだ。唯斗のこと。」
独り言みたいにぼそぼそ呟いてスッキリした。
「ふぅ。もう少し寝よ‥」
ゆっくり布団に戻って唯斗に軽く寄り添うと、抱きしめられた。
「っ!?」
唯斗がご満悦の表情を浮かべ笑っていた。
「お、起きてたのか!?」
ゆっくり頷くと俺の唇を奪った。
優しい触れるだけのキス。
「不器用なところもまたいいんだよ。俺が宇汰にベタ惚れなの知ってるくせに」
「唯斗‥ありがとな」
そしてもう一度優しい優しいキスをした。
