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弱く儚く。

第6章 弱い気持ち。


「ふー!疲れたなー!」

「うん!少し眠ってくるよー」

唯斗はふらふらとベットに向かっていった。

「どうしたんだー?体調でも悪いのか?」

俺は唯斗についていき、布団をかけてやった。

「ううん。深夜にバイトがあるから寝ないとなんだー」

あー…バイトか…。
しかも深夜って…。大変だな。

「そうか。ゆっくり体休めろよ?」

頭を優しく撫でてやる。

「うん。ありがと」
唯斗はゆっくり目を閉じた。


唯斗って一体どうして1人で暮らしてるのだろう…

この年でこんなデカイ家とかなんかの御曹司とかか?
いや…でもそんなに金があるならバイトなんてしなくても大丈夫だよな…
こんな大きな家に独りぼっち…

どんな気持ちなんだろうな

俺は家に父さんもいるし、ばぁちゃんもいるからな。
なんか1人っていうのがよくわからない。

そりゃ自分の部屋はあるし、1人の時間が無いわけじゃない。
父さんなんてほとんど家にいないのだから。

でも…ずっと、誰も帰ってこない家に1人なんてきっと寂しかったんだろうな…。

学校も行ってないって俺と同じ感じなのかな…。
気乗りしないみたいな。行く意味がわかんないみたいな。
曖昧なそんな気持ち。

でも唯斗はきっと俺とは違う。
表情とか、雰囲気が全然違うんだよな…。

俺はこんなに弱っちいのにさ



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