
弱く儚く。
第2章 出会いは突然で。
「当たり前だろ?泣いてる奴ほっとけないよ。」
「なっ!?泣いてねぇよっ!!!!」
思わず叫んでしまって黙り込む。
「ははは、泣きそうって言っただけだろ?」
面白い奴だなー。と笑われる。
流石にイラっときた。
タオルを突き返し、睨みつける。
「‥別に大丈夫だから‥。」
俺が公園を出ようとすると、手を掴まれる。
「帰るとこなんて、ないんだろ?」
図星だった。
何処にも俺の家はない。
俺には何も残っていない。
「俺の家来る?」
「は?」
思わず、変な声が出てしまうぐらいに理解ができなかった。
こいつ意味わかんねぇ。
「どーせ、何処にも行けないならいいだろ?もうじき夜になるぞ?
まぁ、物は試しだ!来てみろよ。」
「絶対嫌だっ!!!!」
俺の言葉など、無視してズルズルと引っ張られる。
ニッコリ笑って引っ張る手の力が強くて
めっちゃ怖い。
まだ、親父の方が怖くねぇーよ!?!?!
助けてくれっ!!!
「ちょっ‥まって!!?」
「大丈夫!」
何がっ!?
なにを根拠にして言ってるんだ!?
こいつ可笑しすぎるだろっ!?
危なすぎるっ!逃げねぇーと!
そんな抵抗も虚しくズルズルと引きずられ、
家の前まで、来てしまっていた。
家に押し入れられる。
これ、誘拐なんじゃないかな?
怖いよ。不安しかねぇよっ泣
