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硝子のルージュ

第2章 #2 忍びよる影

話したいことがあると言って穂積を近くのファミレスに連れて行く。


これまでの経緯を話した。


「……辞める時、ちゃんと言ったか?」


「何度も言った。だけど信用してくれなかった」


穂積はうーんと顎を撫でながら考えた。


確かにホストの仕事辞める時、これまで常連で来てくれた客に対して辞めることを伝えるホストもいれば、ある日いきなりいなくなるホストもいる。


穂積と千種の場合は前者の方で、大学3年の夏休みを最後にホストの仕事を辞めた。

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