
残飯ガール
第2章 イケメンの秘密
「でも、捨てようとしたじゃん…」
あたしがボソッと言うと、久我くんはあたしを軽く睨んだ。
やっぱやだ、この人怖い!
「はぁ…俺だって断ったさ、毎日断った。でもあいつらしつこくてさ…」
へぇ…一応は断ってたんだ。
「でも俺見ちゃったんだよ、あいつらが俺が断った弁当を捨ててるのを」
「…え…」
久我くんはあたしをチラッと見た。
「あんたじゃねーけど、"もったいない"って思ったんだよな…」
あ…。
この人、あたしと同じこと思ってたんだ…
もしかして意外といい人なのかも?
「なるほどね~、無駄にモテるのも大変ね」
「あ、でも理紗の弁当なら喜んで食べるよ?」
「はあっ!?」
久我くんの言葉に、あたしは思わず身を乗り出した。
「理紗ちゃんのお弁当はあたしが食べるんだから横取りしないでよね!!」
「え、そこ?!」
なんだかあたしは無性に腹が立って、目の前のお弁当をガツガツ食べ始めた。
