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残飯ガール

第2章 イケメンの秘密



……って思ったんだけど、次の日。
あたしの足はいつのまにか軽音楽部の部室に向かっていた。


ムカつく……ムカつくけど、お腹が減る。
タダでいっぱい食べれるなんて、こんないい話ない。


しかも今日は寝坊しちゃって、日の丸弁当は持ってきていないし…
あいつに取られる前に先に卵焼き食べちゃうもんねっ!!


あたしは勢いよく部室の扉を開けた。
真っ先に飛び込んできたのは、お目当てのお弁当箱たち。

いち、に、さん……よん!!



「今日は4つもある!」

「ああ…」


そう言うと久我くんは、4つの中で一番大きなお弁当箱を自分の方に寄せた。


「これは俺が食べるから」


え?


一番量があるのに…?



「てか、理紗は?」

「あ…今日は休みだよ」

「そっか」


それから特に会話することなく、あたしたちは無言のままお弁当を食べた。

ただ久我くんは、お弁当をゆっくり味わって食べているように見えた。



あのお弁当……誰からもらったんだろう……。



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