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残飯ガール

第3章 もう少しだけ…


次の日。

どうしても気になって、あたしは自分のお弁当を持って、軽音楽部の部室にやってきた。
理紗ちゃんには呆れられたけど、お弁当の行く末が気になって…。



あたしは部室の扉の窓から中を覗く。


「あっ…」


久我くんの背中が見えた。
そして机の上には、お弁当箱が……4つ!!


また綾さんからお弁当作ってもらったのかな?
てか、今日も断れなかったんだ……。
あたしには威圧感バリバリだけど、もしかしてああ見えて気が弱いとか?
それともファンをなくしたくないから?
受けとることが優しさだと思ってるのかな…。


そういえばあたしも小学生の頃、好きなアイドルグループにチョコ送ったりしたっけ。
トラック何台分とかニュースになってたけど、何日間に分けてメンバー全員で食べてるんだとずっと思ってた。

でもよく考えたら、そんなに食べたらお腹壊しちゃうし、肌荒れしまくりのデブになるからありえないって気づいた。
本人が食べてないなら意味ないじゃんって、すっかりアイドルグループへの熱も冷めてったんだけど…


でも久我くんはちゃんと受け取って、ちゃんと食べてる。
まあ、最近はあたしが食べてたけど…。


だから彼女たちは期待してしまう。
もしかしたらいつか久我くんに振り向いてもらえるんじゃないかって…。


ファンを大事にしたい気持ちはわかるけど…そんなことずっと続けていられるの?



『綾は彼女じゃねぇよ』

なんて言ってたけど…
じゃあ綾さんが久我くんにお弁当作る理由って?



あぁ~~なんかよくわかんないけど、
とにかく捨てるのだけは阻止しなきゃ!!



あたしは意を決して、部室の扉を開けた。



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