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残飯ガール

第5章 もう食べられません

「細野……本当に大丈夫なのか?」



唐揚げを食べ続けるあたしに向かって、久我くんが心配そうな表情で話しかける。



「はいひょうふはよ~」



あたしは唐揚げを口いっぱいに入れながら返事をした。


あれから久我くんがケーキとアイスの盛り合わせを持ってきた時、大食い選手のように猛スピードで大量の唐揚げを食べてるあたしを見てめちゃくちゃビックリしてた。


さすがにちょっと引いたみたい。


そりゃ引くよね……
あたしも引いたもん。


本当に30分以内に食べきれるのか怪しいし…。



だけど残すなんて絶対にできない。
散々今まで「もったいない!」って言ってきて、自分がもったいないことするなんてできないから。


それにあたし、最後に久我くんにちゃんと「ごちそうさまでした」って言いたいんだ。


だから「食べられない」なんて言いたくない。




あたしは口の中に残った唐揚げの肉を飲み込むと、アイスを食べて味変した。

さすがにちょっと大好きな唐揚げでも同じ味が続くと飽きる。


理紗ちゃんのお弁当の中に入ってた唐揚げを食べた時は永遠に食べたいって思ったけど、前言撤回。唐揚げは一日10個くらいでいいかな…。




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