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残飯ガール

第5章 もう食べられません

「おい、見ろよ。ブタが一人で唐揚げにがっついてるぞ」

「うわ~ありえね~。大皿ごと持ってくるとか、どんだけ食い意地張ってんだよ、ブタ」


どこからか、あたしのことを言ってるかのような悪口が聞こえてくる。
周りを見ると、通路を歩く男たちがあたしを見て笑っていた。



ブタ……


確かにあたしは太ってるし食い意地張ってるけど、こんなにハッキリ言われるのはきついなぁ…。


どうしよ、なんかめっちゃ落ち込んできてもう食べられそうにない……



「ねーねー、子ブタちゃん」

「!?」



ハッと顔をあげるといつからいたのか、向かいの席に見知らぬイケメンが座っていた。

目がくりっとして、どちらかというと可愛いイケメンだ。



てか、この人今あたしのこと『子ブタちゃん』って言った──!?



「その唐揚げ、食べていい?」

「えっ……」

「子ブタちゃん、すっごく美味しそうに食べてるから食べたくなっちゃった」



そう言うと、可愛いイケメンはあたしの唐揚げをつまんでパクッと食べた。


「あっ!」

「ん~~おいひい」



可愛いイケメンは食べながら幸せそうな顔をする。


「……」


なんだかその顔を見ていたら、ほわっと気持ちが和らいだ。



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