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先生…お願い。早く治して・・・

第10章 先生の不安事

この事故をきっかけに綾の担当になった院長の石川と、元担当の司馬には不安があった。


敏腕の二人で行った手術はもちろん完璧だった。


問題なのは、この事故で綾の腕に刺さった杭である。この杭には工事に必要な特殊な薬品が塗られており、その薬品が傷口から入ったのだ。

綾は小さい頃からアレルギー体質で、色々なものに反応してしまう。その為、この事故で体に入ってしまった薬品にも反応してしまうのではないか…という事。

杭についた大量の薬品は二の腕付近のリンパ節を通り、胸や、子宮などの体液と反応してしまう恐れがある薬品なのだ。薬品を排出するには、体内に溜まったものを強制的に出すしか手段がない。


綾にとっては、辛い辛い治療になるだろう。


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