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先生…お願い。早く治して・・・

第10章 先生の不安事

この状況は手術後、院長室に呼ばれた執事の宮田にも説明された。

「ーーーーーそ、そんな……。」

宮田はショックを隠しきれなかった。



“ 宮田、あくまでも、私達の予測だ。まだそうなる…とは決まったわけではないんだ。君も医者だ。分かるだろ”



「先生、お嬢様はまだ中学2年生ですよ!!そんな治療………無理です。」

いつもの冷静沈着な宮田ではいられなかった。



それとは対照に石川は医師として冷静だった。
医者が冷静でいられなかったら、相手に不安を与えるからだ…。



“ 宮田、今はまだなんとも言えない。どういう反応を起こすのかも、どういう治療で排出されるのかも…。いずれにせよ、彼女は耐えるしかない。私達も出来る限り頑張るよ”






「ーーーー分かりました。先生。宜しくお願いします」

そう言うと、宮田は深々と頭を下げた。

執事であり、医者の俺が取り乱してどうすんだよ。と、自分自身の心に言い聞かせていた……。

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