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先生…お願い。早く治して・・・

第16章 告知

2人は、病室へ戻った。

宮田は、綾がどれだけショックだったか…

考えるだけで心が痛んだ。


「お嬢様? お疲れになったでしょ。ゆっくりお休み下さい。わたくしはお側におりますから。」



『うん…。ありがと。』と微笑んだ。



精一杯の笑顔だった。



その笑顔に、宮田は返す言葉が見当たらず、
優しく微笑み返した。


心身ともに疲れきっていた綾は、直ぐに眠りに落ちた。



宮田はそんな綾を見つめながら、一人落ち込んでいた。



“はぁ〜、俺はいったい何をやっているんだ。こんな時に励ましの言葉一つも掛けられないなんて…、執事も医者も失格だな…。”

深く大きな溜め息をついた。

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