
おさななじみ。
第1章 はじまり。
だって俺はずっと見ていた。ずっと傍にいた。自分よりも少し小さい由樹はいつもコロコロと笑っていて可愛らしかった。小学生になって少し変わってしまったこともあったけれど、俺に対しては可愛いままだった。
由樹は気持ち悪くなんかない。そのままの由樹でいい。変わってしまっても由樹は由樹だからそれも構わない。
ずっと一緒にいるよ。
その決死の告白に由樹は嬉しそうに笑ってくれた。
だから、俺は決して由樹から離れないと誓った。
あの言葉は告白だったのか。由樹は孝基の話を聞いて何故だかしっくりときた。考えてみたら変じゃないか。幼馴染みとはいえずっと一緒。何処に行くにも一緒。それこそ恋人らしいことは無かったが、男同士の友達にしては密すぎた関係。互いに他に友達が少なからずいたのにも関わらず、遊びにいく相手はお互いだけ。付き合っているのであれば、極端過ぎることもあるが納得いった。
ということは小学生の頃に幼馴染みから恋人になっていたという事実の認識違いだったわけだ。
由樹は嬉しさより可笑しさが勝って久しぶりに腹を抱えて笑った。完全な思い違いで1人ぐちぐちとして。挙げ句に校内でのいちゃつきと捉えかねない暴挙。
結果オーライとはいえなんとも情けないことだった。
悲しみとは違う涙を拭いながら孝基を見やる。
「僕ってバカだね」
「知ってる」
事態を把握した孝基も目を細めて笑っていた。
孝基にとっては今さらのこと。
由樹にとってはこれからのこと。
初めて手を取り合って帰る道。
二人は"予定していた"映画館へと歩を進めた。
由樹は気持ち悪くなんかない。そのままの由樹でいい。変わってしまっても由樹は由樹だからそれも構わない。
ずっと一緒にいるよ。
その決死の告白に由樹は嬉しそうに笑ってくれた。
だから、俺は決して由樹から離れないと誓った。
あの言葉は告白だったのか。由樹は孝基の話を聞いて何故だかしっくりときた。考えてみたら変じゃないか。幼馴染みとはいえずっと一緒。何処に行くにも一緒。それこそ恋人らしいことは無かったが、男同士の友達にしては密すぎた関係。互いに他に友達が少なからずいたのにも関わらず、遊びにいく相手はお互いだけ。付き合っているのであれば、極端過ぎることもあるが納得いった。
ということは小学生の頃に幼馴染みから恋人になっていたという事実の認識違いだったわけだ。
由樹は嬉しさより可笑しさが勝って久しぶりに腹を抱えて笑った。完全な思い違いで1人ぐちぐちとして。挙げ句に校内でのいちゃつきと捉えかねない暴挙。
結果オーライとはいえなんとも情けないことだった。
悲しみとは違う涙を拭いながら孝基を見やる。
「僕ってバカだね」
「知ってる」
事態を把握した孝基も目を細めて笑っていた。
孝基にとっては今さらのこと。
由樹にとってはこれからのこと。
初めて手を取り合って帰る道。
二人は"予定していた"映画館へと歩を進めた。
